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モフトレ通信 -Vol.005-

2020.07.28

コロナ渦における新たな取り組み! “オンライン認知症カフェ”

 

 最近、新型コロナウイルスの陽性者数が再び高い数値を記録しており、第二波の影響が懸念されています。

 

 そんな中、先月新型コロナウイルスに関する緊急調査*1の結果が報告され、自治体や介護の現場における実態が明らかになりました。コロナ渦における利用者のリスクを事業所管理者に聞いた結果、「外出や交流機会の減少(68.1%)」が約7割にのぼり、状態悪化の内容として「ADLの低下(51.1%)」 と共に「認知機能の低下(45.8%)」が4割を超える結果になりました。 さらに、利用が困難となったインフォーマル資源として、「高齢者サロン(59.2%)」、「運動・体操教室(58.3%)」等に続き、「認知症カフェ(35.7%)」が挙げられるなど、高齢者や認知症の当事者・ご家族の方の集う場が減少していることも示唆されました。

 

 このように新型コロナウイルスの影響が顕在化している中で、zoom*2を用いて「オンライン認知症カフェ」を実施している、「チームうごう」*3という団体があります。今回はチームうごうを運営し、普段は都内の小規模多機能型居宅介護支援事務所に勤務する小笠原さんと、都内の病院に勤務する矢村さんにお話しを伺いました。

 

オンラインの取組によるメリット・デメリット

 チームうごうでは、今年5月から毎週日曜日の15:00に「オンライン認知症カフェ」を実施しています。その経緯を小笠原さんに伺ったところ、「チームうごうの活動を2月から開始したのですが、これからというタイミングでコロナの影響を受けました。リアルの活動ができるまでの繋ぎとして、オンラインの活動を始めてみることにしました」とお話し頂きました。また、当日の感想について、「こんなに人がくるとは正直想定していませんでした。北は宮城県、南は鳥取県から参加される方もいて、ネット環境があれば場所を問わず参加できるのがオンラインならではの特徴だと感じました」とのこと。矢村さんも「実際に会わなければ人間関係は築けないと言う人は多いし、自分もそこには賛同するが、思った以上にオンラインでも人間関係は築けるというのが新たな発見でした」と語られました。

 

 一方で、課題も感じたとのこと。
「気軽に参加できる一方、匿名性が高いので、終わった後に結局どこの誰かわからないこともありえます(小笠原さん)」、「地域に根差した活動にどう繋げるかというのが今後の課題。オンラインでできた繋がりをリアルの場に誘導するような活動が今後は重要になると思います(矢村さん)」とのことでした。

 

 お二人にお話しを伺い、課題は散見されたものの、「色々な都合で自宅から出られない方や、対面でのコミュニケーションが苦手な方など、この取り組みが誰かの役に立てば良いと思っています(矢村さん)」という言葉が印象的で、ここにツールとしてのオンラインの価値があるように感じました。

 

今後のインフォーマル資源の在り方
 上記のようなオンラインの取り組みは全国でも増えつつあり、国の指針としても「バーチャル通いの場」*4について言及するなど、オンラインによる取組を推進しようとする流れがあります。新型コロナウイルスの第二波が懸念される中、利用者が自宅からコミュニケーションを取れたり、自宅でも一緒に運動できる仕組みが必要だと感じます。今後、インフォーマル資源の在り方としても、オフラインとオンラインのベストミックスの仕組みが進んでいくことでしょう。

 

 最後に、「自宅で運動」という点では、Moff社は動画をみながら自宅で運動できる「モフトレ・パーソナル」の実証実験を神戸市と共同で開始しました*5(詳細はこちら)。このような運動促進の取り組みによって、利用者さんの運動機能や認知機能低下のリスクを、少しでも減らすことができるようになればと考えています。

 

(*1) 「新型コロナウイルス感染症が介護・高齢者支援に及ぼす影響と現場での取組み・工夫に関する緊急調査」(事業所調査結果報告書Ⅴ)
(*2) Zoom Video Communications,Inc.が提供するオンライン会議ツール。コロナ渦において、利用者数が急増している
(*3) チームうごう:東京都江戸川区に拠点を置く若年性認知症の本人と家族、認知症支援に関わるメンバー等で構成される団体。 
(*4) 老健局「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に配慮して実施する介護予防・ 見守り等の取組例について」の中で、「バーチャル通いの場」について言及されている
(*5) STOP COVID-19 × #Technology 新型コロナウイルス対策のテクノロジーを持つスタートアップとして、株式会社Moffが神戸市と共同で実証実験を開始いたします。

 

                                         以上

           (文/(株)三菱総合研究所イノベーション・サービス開発本部 研究員 釜澤 史明)