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モフトレ通信 -Vol.017-

2021.03.02

認知症専門デイでのモフトレ活用術を聞く

 

 介護業界でもデジタルシフトが進む中、ICT活用を積極的に進めているモフトレユーザにその活用術をお伺いするシリーズです。今回は福岡県北九州市で認知症専門デイサービスを展開する、株式会社エールアクティブ ニリエテラスケアちえずむ代表の有馬さんに、施設での取り組みやモフトレの活用術をお伺いしました。

 

ニリエテラス”という施設名の由来は?

有馬さん)
 ノーマライゼーションを提唱したベンクト・ニィリエの名前が由来です。また、建物の特徴が2階の大きなテラスであるということと、人生を「照らす」という意味もかけて、ニリエテラスと名付けました。

 

施設の特色は?

有馬さん)
 まず、ニリエテラスケアちえずむが認知症対応型通所介護であるということです。エリア内に介護事業所が密集していますので「認知症専門」の特色を生かしたPRを行っています。また、他事業所との差別化という観点からいうと、介護プロフェッショナルキャリア段位制度※1を活用しており、介護の質の部分もアピールしています。主に入職されたばかりの方へのOJTとして用いており、介護の質の統一と向上という点から、キャリア段位取得を積極的に行っています。ICT関連ではチャットやビデオ会議、ドキュメント作成ができる統合型プラットフォームを活用しています。それを家族やケアマネ、リハビリの専門職等、関係者にも入れてもらい、スムーズな情報共有が可能となっています。

 

モフトレの利用場面は?

有馬さん)
 例えば、モフトレの動画をリハビリの専門職に共有します。すると、リハビリ専門職からより具体的で専門的なアドバイスがもらえます。また、ご家族との面談の際にもモフトレの数字を元にお話しします。具体的な数字があることで課題や目標が明確になります。明確な目標があると自然とやる気になります。利用者にとってモフトレデータの利用価値は大きいといえます。

 

モフトレのメリットは?

有馬さん)
 モフトレはデータに忖度がありません。例えば、回数が2.5回の時、職員によっては2回と記録する人もいれば、3回と記録する人もいます。モフトレのデータにはそういった曖昧さがありません。データとしてクリーンで信頼ができます。そのデータをケアマネジャーやリハビリ専門職、ご家族に共有すると非常に喜ばれます。また、半年前、1年前との比較が容易にできるので、過去との比較で改善・悪化の話が具体的な数値を用いてできます。しかもちえずむでは、リハビリの様子も動画で共有しています。これにより細かい変化も気づくことができ、ご家族も介護に前向きになれます。介護は先が見えないものですが、少しでも良い兆し見つかるとご家族も頑張れます。良い兆しを数値で示すことができることはご家族にとって大きな励みとなります。

 

職員にとってモフトレを使うメリットは?

有馬さん)
 モフトレを使うことで、利用者に職員がひとつひとつの動作の説明をしなくて済むのがメリットだと思います。認知症高齢者の場合、リハビリの適切な姿勢や動作の仕方を毎回言わなければ行うことができません。モフトレであれば画面上のモデルを真似してもらうだけで、ある程度正しいフォームで参加することが可能です。これまでのリハビリ体操では職員が利用者に毎回、同じことを何度も説明していました。その時と比べるとモフトレを使うことで職員の精神的な負担が格段に減ったと考えます。

 

認知症の方にもモフトレを楽しく使ってもらえるか?

有馬さん)
 例え認知症を患っている方でも通所介護に通えるレベルであれば、モフトレに楽しく参加することができると考えます。但し、適切なフォームや正しい動作を理解してもらうことは難しいですので、最低限の声掛けや工夫はそれぞれの施設で必要だと思います。モフトレは毎回のリハビリ記録がデータとして残り頑張りが視覚化されます。認知症の方であっても自分の頑張りが「見える化」されることによって、やりがいを感じながらリハビリに参加することができるようになります。

(終わり)

 

ニリエテラスケアちえずむさんの魅力やモフトレの導入メリットをお伺いしました。
特に、データや動画の活用方法は参考になるポイントが多かったと思います。
読者の皆様にも是非お役立て頂ければ幸いです。

 

※1 内閣府「キャリア段位制度」資料

 

以上

 

(文/(株)三菱総合研究所イノベーション・サービス開発本部 研究員 釜澤 史明)

 

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