Moff

       

お問い合せ

モフトレ通信

モフトレ通信 -Vol.012-「利用者様のデータ分析による適切なケアの検討・効果検証」

2020.11.04

利用者様のデータ分析による適切なケアの検討・効果検証

 

 皆様が利用者様に対して日々提供しているケアについて、「今自分たちが行っていることがどの程度、身体機能の維持・改善につながっているだろうか」、「利用者様に本当に合ったケアを提供できているだろうか」と考えたことはありませんか?

 

 そういった職員様の疑問に少しでも答えられないかと考え、弊社三菱総合研究所では、ある施設様にご協力頂き、モフトレの実施データ、施設様からご提供頂いた利用者データを組み合わせて、利用者別に提供しているケアとアウトカムの関係性を分析しました。

 

 具体的には、有料老人ホームの4名の入所者様を対象に、以下の項目のデータを一定期間収集し、各データ同士で相関分析(項目間の相関係数の計算)を行いました。

 

施設様ご提供データ

・BMIの変化
・BI(Barthel Index)の変化
・VI(Vitality index)の変化
・HDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール)の変化 など

モフトレの1日当たり実施頻度データ

・ひざのばしの実施頻度
・もも上げの実施頻度
・ローイングの実施頻度
・股開閉の実施頻度 など

モフトレ実施時の平均角度

・ひざのばしの平均角度
・もも上げの平均角度
・ローイングの平均角度
・股開閉の平均角度 など

 

 分析した結果、一部の利用者様は、モフトレの実施頻度ともも上げの可動域に相関が見られ、実際に歩行機能も改善したことなどがわかり、モフトレが歩行機能の改善に寄与している可能性が示唆されました。

 

 今回の分析結果はあくまで一例であり、十分な考察は難しいですが、利用者様の状態を頻繁に記録・蓄積して分析を行う仕組みを施設・事業所内で作ることで、介護のアウトカム評価の重点化が今後進んだ場合でも、データに基づいた利用者様別のケアの検討や効果の検証にもつなげられます。

 

 モフトレをお使いの方もそうでない方も、まずはご自身の施設・事業所で出来るところから、データの記録・蓄積・分析などを進めてみてはいかがでしょうか。

 

以上

 

(文/(株) 三菱総合研究所 ヘルスケア・ウェルネス事業本部 研究員 斉藤 卓也)

 

過去に配信した記事はこちらです

-Vol.001-「コロナ撲滅!職員・利用者が団結して立ち向かうデイサービス奮闘記」

-Vol.002-「ピンチをチャンスに!高まる訪問看護需要への応答」

-Vol.003-「コロナで忍び寄る身体リスクを跳ね返す自宅トレーニング」

-Vol.004-「コロナに挑む自治体の介護予防の最前線」

-Vol.005-「コロナ渦における新たな取り組み! “オンライン認知症カフェ”」

-Vol.006-「介護現場にPDCAを!~生産性向上ガイドラインのご紹介~」

-Vol.007-「できることから始めてみましょう!”科学的介護”の実現に向けた政策動向」

-Vol.008-「保険外サービスで潜在顧客にリーチ!」

-Vol.009-「事業者の皆様、新しいサービス開発の機会です!」

-Vol.010-「本格化目前! 高齢者の自宅トレーニング」

-Vol.011-デジタル社会における、高齢者の健康