モフトレ通信
モフトレ通信 -Vol.020-「ICTと人財に投資する、ということ」
2021.04.15
ICTと人財に投資する、ということ
「これまでのデイサービスは、人財に頼りすぎて、システム化できていなかった。」
こう語るのは、宮崎・鹿児島両県にわたり、有料老人ホーム、デイサービス、グループホーム、小規模多機能施設を経営する株式会社フォーユー事業統括部長の江頭様。
全国的に介護スタッフのマンパワーが不足する中、特定技能制度を利用し、外国人スタッフを受け入れることにした。社長自ら現地に赴き面接を行い、その勤勉さを高く評価。日本人と同じ給料で迎える。
言語の壁に課題感は残るはずだ。しかし、自信をみせる。
肝心なのは、業務の標準化とツールの活用だという。単純作業は標準化して機械化・効率化。弊社のモフトレの価値は標準化、と断言いただいた。
介護報酬制度下でスタッフの給料を上げるのは、経営上の難問である。そこで、職場環境の改善に投資することで、スタッフに報いる。夜勤負荷を低減するためのツールを導入、休憩室も快適化。結果的に、集まってくる人財は、ハローワークや求人媒体経由ではなく、スタッフからの紹介が多いという。
ロボットも導入する。福祉の本質は、人の温もりにこそある。したがって、高齢者はロボットには抵抗感を覚えるのではないか。しかし、これは先入観にすぎないようだ。スタッフは決してツールに依存するわけではない。利用者とスタッフがよりよい時間を過ごせるようにロボットを使うのである。コロナ対策にも有効となる。その真心は伝わる。
新しいツールの導入に際しては、ICTに馴染みのないベテランスタッフが、オペレーション変更を億劫に感じるのは当然だ。そこで、まずは幹部が使ってみせる。曰く、「メーカーが信念をもって作って、現場導入されているツールを導入できない訳がない。」しかし、定着まで1年かかることもある、とのこと。
人財市場がひっ迫している以上、スタッフの個々のスキルに依存した事業経営は難しい。業務を標準化し、ツールを活用し、人財のスキルを補完していくこと、そして、職場環境の改善でスタッフに報いることが、今後は、事業存続の生命線となりそうだ。
介護業界の人材問題を好機とみなし昨年暮れ「有料職業紹介所」を買収、別会社である株式会社プラネット結を設立した。自ら代表取締役を務めつつ業界に一石を投じる。
ICTと人財へのしたたかな投資戦略により、広域にわたる介護事業所の再生にも意欲を見せる。
以上