Moff

       

お問い合せ

モフトレ通信

モフトレ通信 -Vol.016-「介護ICT機器導入のコツを聞く」

2021.02.17

介護ICT機器導入のコツを聞く

 

 2021年2月、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の延長が決まりました。これまでの日常が戻るまで、もうしばらく時間がかかりそうです。そんな中、全国では積極的にICTを活用し、アフターコロナを見据える事業所があります。今回は、広島県三原市で介護事業を展開する社会福祉法人亀甲会_亀甲園デイサービスセンター(http://www.kikkou-en.or.jp/day)の事務長である勘家さんに、ICT機器を導入する際のコツを中心にインタビューを実施しました。

 

亀甲園デイサービスセンターの特色は?

勘家さん)
当法人は人口5千人の山間地域にあるデイサービスです。もともとこの地域には2箇所の事業所があったので、後発の立場として、他にはない特色や機能訓練ができるデイサービスを作ろうと考えました。特に、この地域は単身世帯が多いので、家庭的で温かい食事が提供できるよう、セントラルキッチンを設けたり、建物を木造にしたりと工夫しました。

 

モフトレ導入の背景と効果は?

勘家さん)
私たちは地域の方の日常生活動作を維持することが使命です。ただ、必ずしも機能訓練の実施訓練やそのデータ化の経験が豊富な職員ばかりではありません。そのため、何か便利な機器はないかと探しましたが、病院で使われているものは難しく、本来のデイサービス業務にも支障が出ると感じました。その中で、モフトレを知り、機能訓練に携わったことがない職員でも簡便に使用でき、かつ自動でデータ化できることから導入を決めました。モフトレは、利用者様が楽しみながら行うことが出来ています。高齢者の方、認知症の方、特に男性の高齢者の方が熱心にやっているのを見ると導入して良かったと感じます。

 

新しいロボット・ICT機器を導入する際のコツは?

勘家さん)
併設の入居施設では離床アシストロボットや自動排泄処理機も利用していますが、これらは職員の体調面(腰痛)や排泄介助の負担を軽減するために導入しました。結局、職員にとってのメリットを考えることが重要で、初期費用はかかりますが、職員の離職等により新たに人を確保することを考えると、こういった投資の方が見合うと考えています。
また、新しいものを導入する際には、職員に「失敗したらやりません(導入しません)」と伝えることが大事だと思います。特にICT機器などを導入する際は必ずメーカーのトレーナーを呼び、主任とリーダーだけが説明を受けるのではなく、職員全員に説明を聞いてもらうようにします。1回2回は失敗するかもしれませんが、成功した時、その成功体験が次もやってみようという気に繋がり、定着していくのだと思います。

(終わり)

 

ICT機器等を導入する際に、職員のメリットを考える、「失敗したらやらない」と伝える、トレーナーを必ず呼び職員全員で説明を聞く、など参考になるポイントがありました。皆さんのご施設でも新たな機器を導入する際には、是非ご活用頂ければと思います。

 

以上

 

(文/(株)三菱総合研究所イノベーション・サービス開発本部 研究員 釜澤 史明)

 

過去に配信した記事はこちらです

-Vol.001-「コロナ撲滅!職員・利用者が団結して立ち向かうデイサービス奮闘記」

-Vol.002-「ピンチをチャンスに!高まる訪問看護需要への応答」

-Vol.003-「コロナで忍び寄る身体リスクを跳ね返す自宅トレーニング」

-Vol.004-「コロナに挑む自治体の介護予防の最前線」

-Vol.005-「コロナ渦における新たな取り組み! “オンライン認知症カフェ”」

-Vol.006-「介護現場にPDCAを!~生産性向上ガイドラインのご紹介~」

-Vol.007-「できることから始めてみましょう!”科学的介護”の実現に向けた政策動向」

-Vol.008-「保険外サービスで潜在顧客にリーチ!」

-Vol.009-「事業者の皆様、新しいサービス開発の機会です!」

-Vol.010-「本格化目前! 高齢者の自宅トレーニング」

-Vol.011-デジタル社会における、高齢者の健康

-Vol.012-「利用者様のデータ分析による適切なケアの検討・効果検証」

-Vol.013-「51:49でも勝ち/価値」

-Vol.014-「自治体側からみた介護予防」

-Vol.015-「介護ICT活用術を聞く」