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モフトレ通信 -Vol.009-

2020.09.23

事業者の皆様、新しいサービス開発の機会です!

 

おりしも自民党総裁になられた菅氏は、当初から自助、共助、公助と地方の利を生かすといわれていました。また、就任の答弁では、コロナ対策、経済対策および改革といわれています。

 

コロナ禍で、日々の業務量が増えて、まだまだ厳しい事業環境が続いていると思われますので、コロナ対策は是非とも具体的に継続してほしいと思います。

 

とはいえ、介護保険制度は毎年議論がされて細かい制度変更が実施されており、今年は3年に1回の自治体における介護保険計画改定を検討している年でもあります。介護事業の現場と直面する自治体としては、財政を逼迫させる社会保障費の負担増をどういう方向で改革しようとしているでしょうか?

 

今回は、その改革の論点の一つである、昨年からも検討されている総合事業の見直しについて着目しました。
議論のポイントは以下の2つです。
・2019年10月、要介護1、2の高齢者を対象とした通所介護を市町村が運営する総合事業へ移すべき(財務省)。
・2019年12月、要介護1、2の高齢者に対する訪問介護と通所介護を市町村の総合事業へ移す案について、2021年度の次の制度改正では実施しない(厚労省)。

 

しかし、2020年8月、あらためて、制度の検討として、第一号事業(介護予防・日常生活支援総合事業)については、市町村が必要だと認めることを前提として、要介護の高齢者でも訪問、通所などこれまで要支援状態で受けていた総合事業のサービスを受けられるように改める、との方針を打ち出しました。地域とのつながり/サービスの継続性を担保していくことを目途としています。

 

「自治体が必要だ」と認めるサービスとはいったい何でしょうか?(第一号事業の)総合事業は、ご存知のとおり、制度としては広く民間開放を意図して制度設計されているがゆえに、サービス内容としては様々なところがありますが、答えは国の意向も含め介護予防としての運動です。

 

自治体によって呼称は異なりますが、通いの場、貯筋運動、いきいき100歳体操等が地元の住民によるボランティアベースで運動が行われています。この活動を活性化させようと自治体は、活動の活性化拡大に取り組んでいます。

 

このような活動をすることで自治体にとってはインセンティブ制度として交付金が増額され、先行的に介護予防事業に投資ができます。その結果として、実際に社会保障費抑制につながるデータも出始めています。

 

介護事業の皆様には、運動を中心とする介護予防を実施していただき、自治体とその運動実績に関するデータを共有していただくことが期待されます。データの共有にただ協力するというのではなく、運動サービスメニューを提供し収益化に繋げてほしいところです。自治体はデータから運動の効果(アウトカム)を検証し、介護予防の質をあげられ利用者の自立支援に繋がりますので、介護予防としての運動サービスは、3者(利用者、事業者、自治体/国)にとってメリットが明確と言えます。

 

                          以上

 

(文/(株)三菱総合研究所イノベーション・サービス開発本部 チーフ事業開発マネージャー 木田 幹久)

 

過去に配信した記事はこちらです

-Vol.001-「コロナ撲滅!職員・利用者が団結して立ち向かうデイサービス奮闘記」

-Vol.002-「ピンチをチャンスに!高まる訪問看護需要への応答」

-Vol.003-「コロナで忍び寄る身体リスクを跳ね返す自宅トレーニング」

-Vol.004-「コロナに挑む自治体の介護予防の最前線」

-Vol.005-「コロナ渦における新たな取り組み! “オンライン認知症カフェ”」

-Vol.006-「介護現場にPDCAを!~生産性向上ガイドラインのご紹介~」

-Vol.007-「できることから始めてみましょう!”科学的介護”の実現に向けた政策動向」

-Vol.008-「保険外サービスで潜在顧客にリーチ!」